2011年10月16日から、このブログを書き始めました。 サマゴーンは、ラムカムヘン通りの北、ソイ110に位置する、 バンコクでも歴史が長い有名大住宅街(と言われているよう)です。 戸数、5000の、キング・プロジェクトで開発された、かなり大きなムー・バーンです。 ロングステイを一歩踏み込んだ生活となりましたので、 都心から離れ、しかし、まったくの田舎暮らしでもない、こういうところもいいのか、 と思って住み始めました。 さて、どんな生活になることでしょうか。

2017/05/08

木々を渡る風 小塩節


「木々を渡る風」、ドイツ文学者、小塩節さんの日本エッセストクラブ賞を得た

エッセイ集のタイトルです。

ゴルフ場にいっても、緑が濃淡あざやかな季節になり、

眼をなごませてくれるようになりました。

この本の中の「ツツジの赤い花」という章に、こうあります。

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これからの季節は、野にも山にも都市の中でも緑が濃くなり、

ときにはむせかるほどの緑の力が圧倒的である。黒ずんだ

樹皮を破り、メリメリと音がするようなぐあいに花々がおしでて

くる。そしてなんと晴れやかな五月の大気だろう。

木々を渡る風は、晴朗の気を運んでくれる。文字通りほんとうに

新緑にかおる五月の薫風(くんぷう)は、大自然と人生の若さの

美しさをうたってやまない。若い日、青春。そのときは悩みも思い

煩(わずら)いもあるし、自分自身の愚かさや醜さに敏感すぎる

ときでもあるけれども、しかしやはり人生において、若い日々ほど

すばらしいときはもう二度とないのではないだろうか。だから一生

をかけて、若き日の志と情熱を持ち続けられる人の生涯はとうとい

と言えるだろう。大自然もまた、この若い五月の日々を一年の冠と

して、精いっぱい生き始めているのだろう。

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はからずも、この章の文章が、このエッセイ集の中で一番美しいので、

本のタイトルもここからとったのでしょう。

若い日、青春。もう一度、戻りたいかと問われれば、

あんなに貧しく、不安な日々はもうたくさん、という思いと、

それでも、もういちど青春をやり直せたら、という思いが

交錯します。

イングリッド・バーグマンに、こういう言葉があるそうです。

(先日、ミステリードラマでのキー・ワードに使われていました)

「私が後悔するのは、しなかったことであり、

出来なかったことではない」

出来た、出来なかった、ということではなく、

本気で(トライ)しようとしたか、どうか。。。


後悔だらけの人生を、

ひとは生きていかなければならない、

というのが大方の生きる姿であろいと思うのだが、

春がくるたびの、初心のこころをやさしくゆすぶって

くれるのだろうか。


最近、すこしだけ、読書欲が回復してきて、うれしい。

・里見惇の<聞き語り>エッセイ集「い吾庵酔話」

(いの漢字が出てきません。もと心部 忄 に、台)

・「天才と狂人の間」(杉森久英)―大正の大ベストセラー「地上」

の作者、島田清次郎の伝記で、直木賞受賞作。

・「北国の春」井上靖 短編集

・「徒然草」 杉本秀太朗 -これは以前から時間ができたら、じっくり読みたい、

 と思っていた本。

徒然草の読み方の、さまざまな形があることを痛感しました。

手元にある、奈良岡康作 訳注の旺文社の文庫本は、

第一段の訳はこうなっています。

しようにもすることのないもの淋しさにまかせて、

終日、机の上の硯に向かいながら、心中につぎつぎにうつっていく、

とりとめのない事を、何というあてもなく書きつけてみると、

妙にわれながらばかばかしい気持ちがすることである。


もし、「われながら、ばかばかしい気持ちがする」書き物なら、

これほど長く人口に膾炙してはいなかったであろう、と思う。

さもあるように、非常に浅薄な訳や、解釈が少なくない、ようだ。


杉本秀太朗は、「心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく

書きつくる」と断ったのは謙遜、遠慮であって、

「心にうつりゆく大事なことをきっちり書きとどめる」というのが

兼好の本意である、と言い切っています。

「あやしうこそ物狂ほしけれ」とは、

さまざまなことを書きつらねるほどに、

我ながら、正気か狂気かいぶかしくなるほど心気が熱してくる、

と。

徒然草は、隠遁した坊さんの、冷徹な人生観照の本などではなく、

無常な世に耐えていく、パッションを読み取ることができるのだろうか。

思えば、なんども手に取った徒然草も、

通して読んだことはないなぁ。






^O^


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このキューピーさんの絵は奥さんのゴイ作です。
退職後、ロングステイ先を求めてタイにやってきたのが2008年。あせらず、あきず、あきらめず、いつまでも成長していける心で、豊かに生きることを願っています。産業カウンセラーの資格を退職後に取得。モットーは、あ・た・ま=明るく、楽しく、前向きに。

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